緑内障

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当院は緑内障に真剣に取り組み、専門的診断・治療を行っています。 新田眼科院長(新田安紀芳)は群馬大学にて緑内障における眼内循環の研究に取り組み、博士号を取得しました。眼科スタッフも緑内障について勉強し、検査・説明に心がけております。

40歳以上の16~17人に1人が緑内障であるという事が疫学的に明らかになっています。緑内障は自覚症状がほとんどなく、自覚症状が現れる頃には末期であり、そこから元の状態に戻すことは不可能です。早期発見、早期治療が絶対必要になります。また緑内障の治療は現在の状態を悪化させず、コントロール・維持する治療ですので、自分勝手に「変わらないから」と治療を中止してしまうと病気がどんどん進行します。

緑内障は一部に家族性があると言われています。ご自分が緑内障と診断された方は親・子・兄弟など血縁の家族の方も専門の眼科医で検査・診断を受ける事をお勧めします。

緑内障の種類

開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障

検査方法

眼圧測定

空気眼圧計─角膜に直接触れないで、点眼麻酔の必要がなく、高眼圧のスクリーニングには 適しています。やや正確性に欠ける点が欠点です。空気で20mmhg以上あれば、接触型で測定します。
接触型─アプラネーションと呼ばれており、現在最も信頼されています。機械が目に触れますが、麻酔をしてありますので痛みはありません。緑内障の患者さんは、この方法で測定すべきと思います。
眼圧は1日のうちで3~4mmhgの変動がある上、点眼の濃度によっても変わります。当院では何時に点眼したかを聞き取り、眼圧測定時間もカルテに記入しています。いつも同じ時間に測定しないで、時々時間をずらして測定するほうが、薬の効果を判定する上でも間違いが少なくなると考え、患者さんにも勧めています。

視神経乳頭立体撮影

視神経乳頭とは眼球の一番奥にあり、100万本以上の神経線維が集まっているところです。形が丸く、少し盛り上がっているところから、この名前が付いたのかもしれません。視神経は死ぬと白くなりその部分が痩せて凹んできます。よく、検診で視神経乳頭陥凹という指摘を受けた人は、緑内障を疑われたということです。緑内障の初期変化を捉える上で最も重要と思います。しかし、乳頭にはその大きさ、形、陥凹に個人差が大きく、特に近視の人は楕円形に変形していることが多く、異常かどうかの判定には相当の熟練が必要です。初期の緑内障の陥凹は見分けにくい為、立体的に捉えないと見逃してしまうこともあります。立体撮影で見ますと凹の大きさ、深さ、血管の屈曲、蛇行などが詳細に観察できるため、非常に有効です。当院では数年前より導入し、経時的に変化を見ています。次の網膜厚測定と組み合わせることで、より正確な診断が可能となります。

網膜厚測定(GDX)

網膜は眼球の最も奥にあり、カメラのフィルムにあたります。神経細胞と神経線維からできており、約100~150ミクロン(10分の1ミリ)の厚みがあります。緑内障は神経が死んでしまう病気ですから、病気の進行に伴い網膜も薄くなります。網膜の厚みをレーザーの反射を用いて正確に測定することで、緑内障の進行の程度が判定できます。さらに過去の検査と比較することで、現在治療している眼圧で神経が守られているか判断できます。今までは神経の減少を数字で客観的に見る方法がなかったため、どうしても視野に異常が出るまでは治療がうまくいっているかどうかの判断が困難でした。視野に異常が現れた時には約30~50%(視野検査機械によって異なる)の神経がすでに死んでしまっています。網膜の厚みが減っていくようなら、現在の眼圧では自分にとって高いのですから、視野に異常が出る前に治療方針を変えることができます。また、検診で視神経乳頭陥凹(緑内障の疑い)という指摘を受ける方は多いと思います。従来は眼圧が(10~20)で視野に異常がない場合は「様子を見ましょう」と言われることがほとんどかと思います。正常眼圧緑内障が70%を占めており、視野に異常が見つかった時には30~50%の神経が死んでしまっていることを考えると、視野異常が出るまで漠然と経過を見ていくのは良くないのではないかと私は思います。網膜の厚みを経時的に追っていくことで、もし減少していくようなら正常眼圧緑内障として治療を始めるほうが、残った視神経を一生守っていく上では、とても効果的ではないかというのが今の私の考えです。

視野検査

緑内障は、見える範囲が徐々に狭くなる病気ということはよく耳にすると思います。 視野、すなわち見える範囲のうちどこがどの程度見えていないかを正確に調べるのが視野検査です。病気の進行程度により、また視野の中心部を重点的に見るのか、全体を見るかにより検査方法が異なります。

FDP

この器械は、緑内障の早期発見に主に用いられます。眼底の網膜には多く細胞があるのですが、緑内障で最も先に障害される細胞(M細胞)の機能を選択して検査する機械です。そのため、測定時間も短く、押し間違いも少なく、患者さんの疲れも少なくて済みます。従来の検査より、4~5年早く視野異常が見つかると言われています。緑内障であるのに視野異常出ていない段階の人には最も適した検査器械と考えられています。

ハンフリー自動視野計

自動視野計には何種類かあるのですが、現在学会等の発表に多く用いられている、いわゆる世界標準の機器と言えます。FDPが出るまではこれが最も早く異常を検出できました。視力に直結する中心部を細かく、病気の進行に応じて、数字で表示できるため、すでに視野異常のある目の進行を追っていくには最適な検査器械です。現状の眼圧コントロールで良いのか、もっと厳しく眼圧を下げるべきか、あるいは手術の時期が近いのか、といった判断に無くてはならないものです。欠点は片眼10分近い間集中していないと正確なデータが得られないことです。そのため、慣れないと正確に測定できません。高齢の方や疲れているときなどは誤差が出てしまいます。どうしてもこの器械に慣れる事ができない、という方もいますので、その場合はゴールドマン視野計を用います。

ゴールドマン視野計

視野検査器械の元祖と言うべき器械で、半世紀の間、変更なしで現在でも使用されており、その基本的な設計思想には感動します。大きなお椀のような形をしており、患者さんは中央を見ており、周辺から丸い光が中央に向かって動いてきて、光が見えたらボタンを押すという仕組みです。視野全体の欠損を見るのには不可欠です。それだけでなく、中心部も慣れた測定者が取りますと、相当に細かいところまで病状がわかります。欠点は測定する検査員の技術によって検査結果に差が出てしまうというところがあります。どの視野検査器械にも一長一短があり、その特徴をよく理解して、患者さんの病気の進行度や、患者さんがストレス無く正確に測定できる器械で経過を見ていけば良いと思います。

治療法

閉塞隅角緑内障

隅角といって眼内の房水が眼外に出て行く虹彩(茶目)の端のところが狭い人に生じる緑内障です。もともと眼球が小さく若い時は遠視のため遠くが良く見え、目だけは自慢だったという人に多く、女性に多く見られます。急性発作を生じますと目の激痛、視力低下、充血、対光反応消失(瞳が大きくなったり、光りを当てても小さくならない)などの症状が起こります。
しかし、あまりの頭痛を伴ったり、嘔吐を繰り返したりと他の症状を訴えるため、脳神経外科や胃腸科を受診しているうちに失明してしまう例が後を絶ちません。このタイプは眼科医が診察しますと、比較的容易に発症を予測できます。その様な場合はレーザー虹彩切開術といってレーザーの光りで虹彩に小さな穴を開けますと、発作は予防できます。外来で5~10分でできます。発作のつらさを考えますと、レーザーのほうがはるかに良いと思いますので、眼科で急性発作の指摘を受けましたらレーザーをお勧めします。

開放隅角緑内障

隅角が開いていても房水の流れが充分ではなく、眼圧が20以上に上昇してしまうタイプです。 急性発作は生じないのですが、ほとんど自覚症状が無いため発見が遅れます。治療の基本は(目薬)です。主に房水を産生する毛様体というところに作用して、房水の産生を抑制する薬と、隅角のところに働き房水の排泄を促進させる薬があります。どのような点眼を選択し組み合わせるかは医師の考えが大きく入るところなのでここでは細かく取り上げません。

点眼の基本的な事

  1. 緑内障の点眼薬は、眼球内に薬剤が浸透することが大切です。
  2. 効果は個人差が大きい。相性というか人によってはほとんど効果のないという事はよく経験します。自分に合う薬を見つけるまではこまめに通って試していくしかありません。
  3. 受診する前日と当日は点眼を忘れないようにしましょう。急に眼圧が上昇した場合、医師は薬が効かなくなってきたのか、種類を変えようか、濃度を上げよう か、もう1剤追加しようか、とても悩みます。患者さんも言い出しにくいでしょうが、点眼を忘れた時は知らせて下さい。お願いします。
  4. 点眼前に、手を洗いましょう。
  5. 下眼瞼を引き下げ、上を向いて1滴点眼します。(1滴で充分です。)
  6. 仰向きに寝て点眼しないで下さい。寝て点眼すると、目尻からこぼれてしまいます。
  7. 点眼瓶の先がまつげやまぶたに触れないように点眼します。
  8. どの点眼液についても同様ですが点眼瓶の先が目や睫毛に触れますと、雑菌が点眼液の中に入って汚染されます。少しはずれても良いですから、目から離して点眼して下さい。
  9. 点眼後は目を閉じ、まばたきはしないで下さい。
  10. 瞬きを減らし、できれば目をつぶっていたほうが良いでしょう。瞬きによって点眼液が涙嚢という涙の排水管の方へより早く流れてしまいます。
  11. すぐにティッシュ等をあてず、点眼液を吸い取らないようにします。
  12. 5分間は拭き取ったり、洗ったりしない。点眼液が目の中に充分浸透するには、最低5分(種類によっては15分)間は結膜の中にとどまっていなければなりま せん。すぐに洗ってしまったり、ティッシュを目に当てて吸い取り紙のように吸い取ってしまうと効果は充分に出ません。拭くのはこぼれた分だけにしましょう。
  13. 指で目頭を鼻の骨の奥の方に向かって1分間圧迫して下さい。
  14. 1分間圧迫後、溢れた点眼液をティッシュやぬれタオルで拭き取ります。
  15. 全身への副作用が心配される場合は点眼後1~2分目頭を押さえますと、副作用が出にくくなります。
  16. しみませんか?緑内障の点眼に目に優しいなんてものはありません。多少しみたり、充血するのは仕方ないでしょう。しかしそれも程度問題で、あまりしみて涙 があふれる程ですと、点眼液が薄まってしまい、効果が充分に出ないことがあります。そのような時は主治医に告げて、あまりしみないものに変えてもらいましょう。
  17. 2種類以上の点眼薬を使用する場合は、最低5分、間隔をあけて下さい。
  18. チモプトールXE、リズモンTG、ミケランLAは、最後に点眼するか、15分以上あけて下さい。
  19. 瓶を開封したら、1ヶ月から1ヵ月半を限度に交換しましょう。
  20. 1日2回の点眼は12時間毎、3回は8時間毎が理想的です。
  21. 時間はおおよそ守って下さい。1日2回という点眼は12時間を過ぎると効果が弱まってくるため、2回と決められています。たとえば朝7時に点眼し、2回目 が夜11時としますと、夜7時から11時までは眼圧が上昇し、視神経に良くない状態になっていることが予想されます。しかし仕事の都合などで、きちんと時 間通り点眼できない人が多いのが実情ですし、一生の治療ですから、そんなに神経を使っていたら治療が続きません。自分の生活習慣の中に点眼を入れて大きく ずれなければ良いでしょう。
  22. 1日1回の点眼は、毎日だいたい同じ時間に点眼しましょう。
  23. まつげに乾いた薬が粉のように付着することがあります。気になる場合は、点眼後10~15分で洗顔して下さい。(エイゾプト・トルソプトは、点眼後5分経過すれば洗顔してよいです。)
  24. 冷所保存の点眼薬で、使用中のものは、車内など温度の上がる場所に置かなければ、冷所に保存する必要はありません。これは1年以上保存する時の注意であり、1本使い切る1~2ヶ月内では全く問題はありません。夏、持ち歩いて点眼しても差し支えありません。保冷パックに入れているという人もいますが、必要ないことです。
  25. キサラタン・トラバタンズ・タプロス・ルミガン   副作用に、まぶたの色素沈着や発毛、まつげが太くなる、などがあります。この副作用を減らすため、点眼直後に瞼を閉じたまま洗顔をするように水で目の周囲を洗って皮膚についた薬を流して下さい。その後に1分間目頭を押さえてください。更に5分後位に石けんを使用して洗顔や入浴をするとよいでしょう。
  26. ハイパジール・ミロル   まぶたの発赤・かぶれ・皮膚炎などの副作用がおこることがあるため、点眼直後にぬらしたタオルで溢れた液を拭き取り、その後1分間目頭を押さえて下さい。洗顔までする必要はありません。

新田眼科では現在、約900人の緑内障患者さんが通院されています。過去3年間の緑内障手術の成功率は全国平均が65%~70%であるのに対し、新田眼科では97%(65人中63人)が目薬なしで眼圧をコントロールできています。