ドライアイ、マイボーム腺機能不全(MGD)

点眼治療などで改善しないドライアイ症状でお困りの方へ

「ドライアイ」は最近では一般的になってきており、名前を聞いたことがあったり、ご自身や周りの方がドライアイで治療している、という方も多いと思います。実際、40歳以上の日本人の10〜20%ほどがドライアイと言われるほど、多くの方がかかっている病気です。ドライアイは、眼の表面を潤す涙が少ないためにおこり、眼が乾く、ゴロゴロする、眼を開けていられない、充血する、眼が疲れる、眼に傷ができる、視力が低下する、など様々な症状を起こします。

涙は、99%は水分で、残りの1%は油分(脂)から成りたっていますが、今までのドライアイ治療は主に99%の水分の不足に着目して行われてきました。

しかし近年、残りの1%の油分(脂)の不足が、ドライアイ症状を引き起こし、さらに実にドライアイ症状の患者さんの80%以上は、この「脂が足りないタイプのドライアイ」ということがわかってきました。

が足りないタイプのドライアイとは?

この脂は、まぶたの中にある「マイボーム腺」という部分で作られ、まつ毛の根元にある「マイボーム腺の開口部(脂の出口)」から分泌され、眼の表面に拡がり、残りの99%の水分と共に、眼を潤しています。このマイボーム腺や脂の出口に異常がおこり、「マイボーム腺機能不全 (MGD)」になると「脂が足りないタイプのドライアイ」を引き起こします。

現在使われているドライアイの目薬の多くは、「水分が足りないタイプのドライアイ」には効果がありますが、「脂が足りないタイプのドライアイ」には効きづらいといわれています。

では「脂が足りないタイプのドライアイ」の治療はどうすれば良いかというと、低下しているマイボーム腺の機能を回復させてあげることが大事になります。
まず「眼の周りを温める(温庵法)」ことと「マイボーム腺の出口を綺麗にする(Lid Hygiene)」ことにより、脂の分泌を改善することが大事です。これらは患者さん自身によって、日々根気よく続けていただくことが必要になります。

これらに加えて、もともと皮膚科や美容領域で使用されてきた「IPL(Intense Pulse Light)」治療がMGD、すなわち「脂が足りないタイプのドライアイ」に効果がある、ということがわかってきました。

が足りないタイプのドライアイの治療は?

当院では、以前から涙の治療を長年おこなってきた中で、MGDにも注目しており、県内の眼科としていち早く導入を決め、MGDに対してのIPL治療を開始しました。

点眼治療などで改善しないドライアイ症状でお困りの方は、もしかすると「脂が足りないタイプのドライアイ」かもしれません。ぜひいちどご相談ください。